あの日夢見たもの
今年からまた、横浜・青葉区の小・中・高生ミュージカルが再開することになりました。上演は来年の一月末。それに向かって着々と準備が始まりつつあります。
あの日 心の翼 はばたかせ 限りない希望 胸に抱いて 彼方を目指し 舞い上がる けれどもいつか 翼折れ 力尽き 深く沈んだ 闇の底
何もかも 信じられずに 心の扉 固く閉ざして あの日夢見たものも忘れて
ある日 闇の底から 見上げれば はるか彼方に かすかな光 忘れた思い 蘇る 耳を澄ませば 呼びかける 友の声 凍った心 溶かしてく
勇気だし 今踏み出そう つながる心 見交わす目と目 あの日夢見たものに向かって
これは第一回青葉区小・中・高生ミュージカル『手古奈』のエンディングに作られ、今では青葉ミュージカルのテーマソングとなっている「あの日夢見たもの」(かめおかゆみこ・詞 金子忍・曲)の歌詞です。当時、私は舞台の演出に自信を失っていました。自分の書いた台本とうまく距離を置くことができなくなっていたのだと思います。それが市民ミュージカルの演出の仕事をいただき、とにかく生活のために少しでもお金をゲットしようと引き受けたのが、まさか再び演出を自分の仕事として引き受け直すきっかけになろうとは、当時の私には想像もできない未来図でした。
バブルがはじけたあおりを食って、20年続いた築地魚市場でのアルバイトを失い、演劇ワークショップを立ち上げたものの生徒さんはなかなか集まらず、正直言って五里霧中、金はなくなる一方で、稼ぎは細々…そんな私の心に、この歌はしみとおったのです…
ミュージカル(演劇の舞台)を経験すると、子どもたちは変わります。本当に変わります。人前では物が言えなかった子が、終わったあとの解散会では、時間をかけてでも自分の思っていることをなんとか伝えようとします。中にはホワイトボードに絵だか図だかを描いた生徒(当時小4か5)もいました。小さい丸と大きい丸。小さい丸はミュージカルをやる前の自分で、大きい丸が今の自分だと言い切りました。言葉は訥々としていましたが、目は輝いていたのを鮮明に覚えています。そして変わったのは生徒だけではありません、私自身もずいぶん変わりました。演出に自信を失っていたのはとうの昔になりました。それでもこの歌を聴くと、今でも胸が熱くなります。また多くの生徒たちがこの歌を歌いながら、一つの節目を経験していくでしょう。そして私も、さらにこれからどんなふうに変わっていくんだろう…
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